うつ、休職、「休む」ことの難しさ
※これは退職エントリならぬ「復職エントリ」記事です。
2024年10月25日に医師から「適応障害」の診断を受け、当面2ヶ月程度の休養・休職を要するとの診断書が出たため、2024年12月末まで休職していた。今は2025年1月になり、少しずつ復職しようとしているところだ。
文章を書くリハビリを兼ねて、ここに復職エントリ記事を書こうと思う。といっても内容は、うつの何が特に辛いのか、休職中どんなふうに過ごしていたか、「休む」ことの難しさ、などになるだろう。
※ 「適応障害」は診断名として(単極性の)「大うつ病」と区別されるものだが、このエントリでは抑うつ症状が出る病として一括りに「うつ」として扱う。
うつには多彩な症状があるが(嫌ですねえ…)、うつになったことがない人にいつもあまり理解してもらえないなと思うのは、実は「身体症状」がかなり辛いという点だ。身体症状の出方は人それぞれだと思うが、私の場合は特に、体が重だるくて動けない、眠くて怠いのがずっと続くという点が辛かった。
これでは外出の予定が立たない。もちろん、休職中なので基本的に仕事はなかったが、オタク現場や友達との約束は時々あったので、いつも行けるかどうか不安だった(し、実際に行けなかったものもあった)。しかも、体調が毎日違うので、あたかも「体調ガチャ」かのようになってしまう。当日の朝にならないとその日の予定に本当に行けるかがわからないというのは、相手にも迷惑をかけるし、かなり堪えた。
他に辛いのは、やはりとにかく気力が出ないこと、頭が働かないこと(「ブレインフォグ」と言って、頭に靄がかかったような状態になる)だろうか。何もやる気になれないし、集中力もない。短い動画は見られても、長い動画は見られない。当然、本も読めない。関連して、興味関心の喪失も辛い。世の中の全てに関心を持てなくなってしまう。こうなると、もう、ふて寝しかない。
それで、では休職中どのように過ごしていたのかというと、まず調子が悪い日(体が重だるくてまったく動かない日)はとにかく布団の中にいた。布団の中で何か活動をしたりスマホをいじったりしていたのかというとそういうこともほぼなく、最初はTwitter(現X)のTLを見たりしていても、すぐに寝落ちて、ふて寝していた。調子が悪い日は、不思議なことに、一日中断続的に寝ていてもまだ眠いという感じで、夜眠れなくなったり昼夜逆転したりということはなかった。
少し調子が良い日(体がまあまあ動いて、布団から這い出られた日)は、近所を散歩したり、12月に入会したジムに行ったりしていた。多少元気な日は、体を動かすことはできた。近場であれば、出かけることもできた。しかし、頭を使う作業が本当にできない。やる気にもなれない。研究者という職業の人間にとっては、これはかなり辛かった。
結局、漫画を読んだりアニメ(1本30分ぐらいあるもの)を見たりできるようになったのはここ数日で、休職中はとにかく「なるべく情報を頭に入れたくない」という感じだった。情報を取り入れると脳がより疲れてしまうからだ。あと「世界に向き合いたくない」という感じも強くあった。布団の中に引きこもって、世界との接点を持たずに過ごしたいという感じ。しかし、それはそれでずっと続けているとさすがに孤独感や不安感が頭をもたげてくるので、それも厄介だった。
あと、忘れかけていたが、休職期間の前半は、休職するための手続きや休職の周知に追われていた。さまざまな大学や出版社に「これこれこういう理由で休職します」というメールを書いた。最終的には友達に提案してもらった「自動返信メール」を取り入れて、自動返信の中に休職している旨を書くことにした。この期間はなんだかんだと事務作業をする必要があったので、「休めている」という感じはしなかった…。
そんなこんなで、休職中は一応「休んでいる」ということになっていたのだが、「休む」というのは本当に難しいと実感する結果になった。「休む」ことに関するいろんな本もいままでに読んできたが、それらの多くに書かれていたことによれば、「休む」というのはただ睡眠を取ったり何もしなかったりすることではなく、もっと積極的にやりたいことをやったほうがいいらしい。しかし、うつの時はやりたいこともないし、何よりも何かする気力がない。誰か、「うつの時の休み方」本を書いてほしいぐらいである。
おそらく、うつがひどい時は、私がやっていたように、布団の中にこもるしかないのかもしれない。うつに良いとされる過ごし方はいろいろあって、散歩や運動もその一つだが、本当にうつがひどい時はとてもじゃないが散歩も運動もできない。うつがひどい時の「休む」は、布団の中で寝たり、眠れない時は簡単なパズルゲームをやったり短い動画を見たりといったことでよいのかもしれない。
私が通っているメンタルクリニックの医師は、毎回の診察の最後に、気持ちが楽になるような言葉を書いて渡してくれるのだが、その中に「いつも自分の生活をすればいい」というのがあった。考えてみると、休職前の私は、とてもじゃないが自分の「生活」ができているとは言えなかったように思う。仕事にせよプライベートにせよオタ活にせよ、毎日行かなくてはならないところに行き、やらなくてはならないことをこなし…という日々で、心も体も休まる暇がなかった。
復職するにあたって、また倒れてしまわないようにと考えると、大事なのはこの「自分の生活をする」ことかなと思う。やりたいことも詰め込みすぎると「やらなくてはならないこと」に変わってしまう。そのことを自戒し、ある程度余裕を持ったスケジューリングをすることは、何よりも重要だと今回痛感した。
とにかく、「無理をしない」こと。そのためには、スケジュールになるべく余裕を持つこと。復職後はこれを意識して、どうにか持続可能な生活・仕事・研究・オタ活を行っていきたい所存である。
2025年の目標
2024年を簡単に振り返るのは難しいです。かなりいろんなことがあり、多方面で忙しくしていた一年でした。
ただ、一つ言えることは、「忙しくしすぎた」ということです。仕事も研究もオタ活も全力でやろうとした結果、2024年10月には適応障害の診断が下り、2ヶ月間休職することになってしまいました。
そこで、2025年の大目標は「心身の健康第一」にしようと思います。
具体的な小目標としては、「仕事を増やしすぎない」「参加するオタク現場をなるべく絞る」「最近入会したジムになるべく週1ペースで通う」などになりそうです。
(ところで、「オタク現場を絞る」の、本当に難しくないですか? 私のように体力とお金に限りがあるオタクの皆さんはどうされているんでしょうか。絞る基準が難しすぎます。これについてはこれから一年間悩み続けることになりそうです…。)
2025年の仕事面での目標は、「本を書く一年にする」です。
特に博士論文(「メイドカフェにおける女性の労働経験――第三波フェミニズムの視点から」)の書籍化については、ありがたいことにお待ちいただいている方も多いみたいなので、どうにか早めに書き上げられればと思っています。
そのためにも、なるべく書籍関連の仕事に集中し、あまり多くのことに手を出しすぎない、「選択と集中」の一年にできればと思っています。
(とはいえ、お仕事についてご相談があれば、まずはメールアドレスまでご連絡ください。メールアドレスはresearchmapに掲載されています。)
そんなわけで、今年こそ(本当に今年こそ…!)健康第一の年にできればと思っています。
みなさま、今年も何卒よろしくお願いいたします。
「ディズニー」について語り合う定期イベントの開催決定 ところで「ディズニー」って?【wezzyからの転載】
初出:wezzy(2024年3月31日にサイト閉鎖)
こんにちは。レロこと中村香住と申します。社会学の研究者で、普段は、第三波フェミニズムの観点からメイドカフェでの女性の労働経験についての研究などをしています。
そんな私が、この度、wezzyでディズニーに関するオンラインイベントを定期的にホストすることになりました(転載時に追記:wezzyのサイト閉鎖に伴い、オンラインイベントも現在のところ中断しています。どこか別のプラットフォームで再開できるとよいのですが…)。「なぜこの人がディズニーに関するイベントを?」と疑問に思われる方もいると思いますので、私とディズニーとの関わりを少し書いておきたいと思います。
私は、「ディズニー好きなんですか?」と聞かれると、いくつかの点でいつも答えに窮します。一つは、そこで言う「ディズニー」とは何なのかという点です。関係する企業だけでも膨大な数に上りますし、映画、パーク、グッズなど媒体のジャンルもいろいろあれば、映画だけをとってもDisney、PIXAR、Star Wars、MARVELなどたくさんのブランドがいまや「ディズニー」傘下に入っています。
例えば、私はパークはパリ以外全部行っているものの、映画はある程度押さえつつもすべてを見られているわけではありません。MARVELに至っては現在まさに勉強中の身であり、この記事を執筆している2021年12月現在、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品だけをとってみても1/4もまだ見られていません。そんな、本記事執筆時点でMARVELを絶賛「履修中」の私が、「ディズニー」が好きと言ってしまってよいのか、いつも悩むのです(転載時に追記:2024年3月現在、ディズニーパークはパリを含むすべてのパークを訪れ、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品はフェーズ3まで見終えました)。
もう一つはさらに根源的な点ですが、「好き」とは何かという点です。私にとって「ディズニー」は、幼い頃から自分の傍に常に存在していて、常に探求し続けてきたものであり、簡単に「好き」か「嫌い」かを問えるものではありません。もちろん、特定のコンテンツに関してはかなり明確に「好き」と言えるものもあるかもしれません。しかし、それをもってして「ディズニー」全体を「好き」だと断言してしまうのはあまりにも雑です。そして実際、探求し続けてきたからこその、「嫌い」な、もしくは「よくない」と思っている側面もたくさんあります。文句を言いたいことも数え切れないほどあります。
それでも私は、外から見れば「ディズニーファン」だということになると思います。そもそも、「ディズニーが好きか」というごくシンプルな質問に対して上記のような面倒くさい悩み方をする時点で、ある程度以上の「ファン」であるということになるのでしょう。
私自身も、「好き」かどうかはともかくとして、どうしようもなく「オタク」であるという認識はあります。小学生の頃にはウォルト・ディズニーの伝記を読み漁り、中学生からは東京ディズニーランド/シーの2パーク共通年間パスポートを保持して月一回以上のペースで舞浜に通い、当時のショーやパレードの音楽が収録されたCDをほぼすべて購入し、パークの街並みやキューラインの中に貼ってある英字広告や英字新聞を読み漁ることで英語の表現を学び、東京ディズニーシーのフォートレス・エクスプロレーションの壁に描かれている歴史絵巻を読み解きながら世界史について考察し、大人になってからは東京ディズニーシーのテディ・ルーズヴェルト・ラウンジで顔馴染みのバーテンダーさんにカクテルを作ってもらい、世界各地のディズニーパーク& リゾートを訪れ、PIXARの短編プロジェクトSparkShortsの作品をすべて見て、2019年にはカリフォルニアのアナハイム・コンベンションセンターで行われる究極のディズニーファンイベント「D23 Expo」に参加し、現在でも東京ディズニーランドホテルのレストラン「カンナ」に月一ペースで通っている私は、かなりパーク&リゾートに偏り気味ではあるものの、何かしらの意味でディズニーの「オタク」ではあると思います。
ちなみに、私がパーク&リゾートの中で特に関心があるのは、ディズニーパークがそのテーマ性・ストーリー・コンセプトをどのようにして現実空間の中に具現化しているかという点です。
これはディズニーの用語で言えば「イマジニアリング(Imagineering)」に当たる部分です。イマジニアリングとは、Imagination(想像力)とEngineering(工学)を合わせた造語で、ディズニーの創造者集団であるイマジニアたちがパーク&リゾートを創るすべての過程(デザインから設計、使用する技術の開発、実際の建築まで)を指します。私はパークの要素の中でも特に食、植栽、音楽、広告やプロップス(小道具)などが好きなのですが、それはストーリーテリングを重視したイマジニアリングの際に、そうしたディテールこそが重要になってくるからです。
例えば、東京ディズニーシーの、南イタリアをモチーフにしたテーマポート「メディテレーニアンハーバー」にある、「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」というレストランのテラス席には藤棚があり、例年4月末〜5月頭には藤の花がきれいに咲きます。実際にフィレンツェにも咲くと言われている藤の花を見上げながら、ピザやパスタなどのイタリア料理を食べるのは、東京ディズニーシーの四季を通じても最高のシチュエーションの一つであると同時に、テーマポートのテーマ性を噛み締められる営みでもあります。
また、このレストランには、この地域でワインを造り続けてきたザンビーニ家という家系に生まれたザンビーニ三兄弟が、20世紀初頭にワイナリーを改装して開いたイタリアンレストランであるという設定(バックグラウンドストーリー)があり、近くにはワイン醸造用のブドウが植えられています。
他にもイタリアンレストランらしく、オリーブの木も見ることができます。このように、テーマやバックグラウンドストーリーに沿った空間設計をするために細かな部分を含めてさまざまな要素を総動員している点が、私がディズニーパーク&リゾートでもっとも興味深いと感じている、「好き」な点です(こうした点に関しては、以前文章を書きましたので、ご興味ある方はご覧ください。レロ「異国のミニチュアとしての東京ディズニーシー」『Rhetorica #03』 http://rhetorica.jp/review/rero01)。
これから始まるwezzyでのディズニーに関するオンラインイベントでは、毎回さまざまなテーマを設定し、そのテーマに関連するゲストの方をお呼びして、二人でいろいろとお話をしていきたいと思います。場合によっては、私はほぼインタビュアーに徹して、ゲストの方から専門的なお話を伺う回も出てくるかもしれません。
ゲストの方も、ディズニーに関連する著作がある方やディズニーに関する研究をなさっている方から、ディズニーをファンの視点から長年見ている方、さらに場合によってはディズニーについてはそこまで詳しくないもののテーマについて専門的な視点を持っている方まで、さまざまな方をお呼びできればと考えています。
いずれにせよ、「ディズニー」に関して単に肯定したり、 逆に一方的に否定して切り捨ててしまったりするのではなく、「ディズニー」の深い森の中にぐっと分け行って、その中で起きている複雑な事象をひとつひとつ解きほぐしつつ、さまざまに葛藤しながら、毎回のテーマに関する「ディズニー」の輪郭をぼんやりとでも描き出すことができればと考えています。ご期待ください。
今年の総括 2023
レロこと中村香住です。
「今年」と書きながら、もう全然「来年」に突入してしまっているのですが、ごく簡単に2023年を振り返りたいと思います。
2023年は今まで以上にものすごくバタバタした年だったので、例年のような(?)細かめの振り返り記事を書くのは難しいのですが、ざっくりした所感は書き残しておこうかなと。
お仕事の面では、大妻女子大学人間関係学部と慶應義塾大学文学部・社会学研究科で非常勤講師を務めました。
至らない面も多々あったかと思いますが、コメントペーパーを読んでいると、私の講義によって受講生の中に何かしらの発見が生まれている瞬間に立ち会うことができ、これは「教育」というお仕事でしか得られない喜びだよなと改めて思いました。(でも、やっぱり大学非常勤講師の賃金はあまりにも低すぎると思います。1コマにつき月2.5〜3万円程度が現在の相場だと思うのですが、これでは非常勤講師のお仕事だけで食べていくには何コマ掛け持ちすればよいのかという感じですよね…)
他にも単発のお仕事として、声優・アーティストの夏川椎菜さんにご自身の「言葉による表現」についてのインタビューをしたり、ディズニー100周年記念映画『ウィッシュ』のレビュー記事を朝日新聞デジタルRe:Ronに寄稿したりと、「生きているとこんなこともできるのか」と思えるお仕事の機会にも恵まれました。
そして、2023年本当に大きかったのは、声優の相良茉優さんを今まで以上に好きになり、かなりの熱量を持って「推し」たことかなと思います。
https://lit.link/en/sgrmayu0417
相良茉優さんについて数年前からこれだけは変わらずに言っていることが一つあるのですが、それは「本当に感謝しかない」ということです。それぐらい、本当にファン一人ひとりのことを「人」として見て、それぞれにちゃんと大切にしてくれる人だと思っています。
相良茉優さんが出演するイベントに着いて行っているうちに、2023年は北海道(人生初)にも福岡にも徳島(人生初)にも行きました。本当はLAにも行きたかったけど時間とお金がなかった、無念…。
人との温かいつながりもたくさんできました。いつも良くしてくださるオタクの皆さんには本当に感謝しています。
そして、驚くべきことに、特に相良さんのLAでのAnime Expoご出演以降、海外(それも本当に様々な国と地域!)の相良さんファンと交流する機会が多く、心の底から嬉しく思っています。声優オタクという日本のガラパゴス的とも言える文化の中で、「国際交流」ができる日がくるなんて、感動的でした。共通言語として英語を使う機会が多いため、2023年は今までの中で一番英語を日常的に話す/使う年になったかもしれません。英語勉強しといてよかった。ありがとう、小さい頃の自分。
相良さんの声優・演者としての幅は広がるばかりですし、2023年はアーティストデビューもし、2024年3月には1stライブも決まっているので、2024年の私のオタクとしての目標は「相良茉優さんの魅力をもっとたくさんの人に知ってもらう」ことかなと思っています。布教大事! オタクにできることはそれぐらいしかないとも言えますけども。
テーマパーク&リゾートには今年もたくさん、というかわりと息を吸うように行きました。
東京ディズニーランド/シー、サンリオピューロランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはもちろんのこと、3月にはWalt Disney Worldを5年ぶりに訪れ(まだギリギリWalt Disney World 50周年イベント期間中で、かつEPCOT 40周年イヤーも始まっていたので、ちょうどいいタイミングでした)、6月には人生で初めて大分県にあるサンリオの屋外テーマパーク・ハーモニーランドを訪れ(パレードパラレルの最前席はまじでみんな買ったほうがいいです、無限にレスが来ます)、11月にはこれまた5年ぶりに香港ディズニーランド・リゾートを訪れました(World of Frozenは本当に「アレンデール」でした)。

2024年はどうにかして上海ディズニーリゾートに行きたい!
オープンした年(2016年)に一度行ったきり、行こうと思ったら直前にコロナ禍に入ってしまって、ずーっと行けていないのです。ついにズートピアエリアもオープンしたことですし、2024年はどうにかして絶対、上海ディズニーリゾートを再訪することが目標です。
最後に。
2023年は、新しい人とのつながりもたくさんできたし、今まで以上に仲を深められた人もたくさんいて、それは本当に嬉しいと同時に、おそらく私のコミュニケーション上の失敗により大切な人を何人か失う(疎遠になる)ことになってしまいました。本当に辛い出来事でした。
私はもともとコミュニケーションが上手い方ではないと自覚しているので、なるべく自分なりの工夫をしてディスコミュニケーションを減らそうとしているつもりではあるのですが、やっぱり色々と至らないところがあるようで、打ちひしがれることも多いです。
人間関係については「こうすればよかった」という簡単な正解はないと思いますし、ずっと自問自答し続けるしかないのだと思いますが、せめて今後は、大切な人たちに私のコミュニケーションのせいで辛い思いをさせたくないと強く思っています…。
といっても、私にできることは、今自分の周りにいる人たちにできる限り誠実に向き合い、必要な場面では言葉を尽くしながら(私は非言語コミュニケーションが下手すぎるので言葉にしないと本当に齟齬が生まれてしまうことがあるので…)、なるべく丁寧なやり取りをすることぐらいしかないのかなとも思いますが…。
ともかく、もうこれ以上、私のコミュニケーション下手のせいで大切な人たちを失いたくないとは強く強く思っています。
今周りにいてくれている皆さんや陰ながら見守ってくださっている皆さんには本当に感謝ですし、離れていってしまった人にも今までのことに本当に感謝しています(そしてもしもまた私との縁を取り戻してもいいかもと思ってもらえた時には、そっと教えてもらえたら嬉しいです…)。
2024年は、とにもかくにも博士論文(メイドカフェにおける女性の労働経験がテーマです)を提出しないと始まらないので、まずはそこに注力したいと思います。
あと、2023年は会う人会う人に「忙しそうで体調が心配」と言われていたので、2024年はもう少しうまく休めるようになることを目標にしたいと思います…って、これはほぼ毎年言っている気もしますが(汗)。
でも、博士論文を提出し終えたら、1ヶ月ぐらいは本当に仕事をなるべくセーブして、休みに全振りしたい気持ちではあります(すでに2月末〜3月のお仕事は少し入り始めているけれど…)。
本年も皆様、何卒よろしくお願いいたします。
今年の総括 2022
レロこと中村香住です。
今年は特に時間が経つのが早く感じられ、ついこの間1月だったような気がしていて、今日が大晦日だなんて信じられないのですが、ひとまず今年の総括記事を書きたいと思います。
2022年の重要なお仕事振り返り
今年は、なんだかんだかなり仕事量が多かった気がします。
一番印象的だったお仕事は、初めての共編著書である、香月孝史・上岡磨奈・中村香住『アイドルについて葛藤しながら考えてみた――ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』(青弓社)が刊行されたことです。ありがたいことにたくさんの反響もいただいていて、嬉しいばかりです。私は「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を題材にして演者と観客の関係性や相互作用について考察する論考を執筆しました。
田島悠来編『アイドル・スタディーズ』(明石書店)にも、「声優とアイドル」というコラムを寄稿しました。こちらはアイドルに関する学術的な論考を集めた初めてのアイドル論集となっており、葛藤本と合わせてアイドルシーンやアイドルファンダムに関する議論を盛り上げるための一助となれば嬉しく思います。
また、NHK夜ドラ「作りたい女と食べたい女」のジェンダー・セクシュアリティ考証を担当したのも、たいへん貴重な経験でした。原作も大好きな作品でしたし、何よりも素敵な制作チームに混ぜていただき、ともに議論しながら一つのドラマを作り上げることができたのは素敵なことでした。
学会発表に関しては、第95回日本社会学会大会のシンポジウム「デジタル・ネイティブ世代の環境~つくる・のる・いきる~」にて、「「女が女を推す」という実践――「女ヲタ」の現在」という報告をしたのが一つ大きなお仕事でした。
また、カルチュラル・タイフーン2022でも、"Binarism and Feminism: Gender Ambivalence in Japanese Popular Culture"というパネルの中で、"How the Maids in Japanese Maid Cafes Use SNS: Affective Labor and Passionate Work"という報告を行い、イギリスのメイドカフェを研究しているGeorgia Thomas-Parrさんとコラボレーションできたのもとても嬉しい経験でした。
それからwezzyでは、今年から、ディズニーに関するトークイベントを不定期でホストさせていただきました。具体的には、河野真太郎さんをお迎えして「ディズニーと『多様性』」、関根麻里恵さんをお迎えして「ディズニー作品から考える第三波・ポストフェミニズム」についてお話ししました。
こちらのイベントは来年以降も開催予定で、年明けの2023年1月27日(金) 20時からは、荻上チキさんをお迎えして「ディズニープリンスの『男らしさ』」についてトークします。ぜひご参加ください。
アニメコンテンツ関連のお仕事では、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」のアニメーション監督である古川知宏さんにインタビュー(前編・後編)をすることができたのはとても光栄でした。また、Febriにて、「『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』が『ラブライブ!』にもたらしたもの」(前編・後編)と題して虹ヶ咲についての文章を発表することができたのも嬉しかったです。
振り返りきれませんが、そのほかにもたくさん寄稿(特に『反トランス差別ZINE』に書評を寄稿できたのは嬉しかった!)やトークイベント出演ができて、充実した一年だったと思います。
2022年の重要なコンテンツ振り返り
2022年は(も?)重要なコンテンツが多すぎて振り返りきれないのですが、記録としていくつか書いておこうと思います。
まずは、「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」オーケストラコンサート。
「wi(l)d-screen baroque」で小泉萌香さんが出てきた時の驚きよ! しかもあの歌うのがしぬほど難しい変拍子だらけの曲を生で歌いこなす小泉萌香さん。本当におったまげました。
「再生讃美曲」「私たちはもう舞台の上」によってスタァライト九九組の歌の上手さ・ハモりの素晴らしさを改めて思い知り、相羽あいなさんと富田麻帆さんが隣同士で楽しそうに目を合わせながら歌っている様子を見て勝手に感情が大満足してしまいました。
LAWSON presents 夏川椎菜 2nd Live Tour 2022 MAKEOVER。私は埼玉公演、千葉公演、中野追加公演2Daysに参加しました。
Pre-2ndからさらに進化したパフォーマンスとセットリストで、息つく暇もなく、度肝を抜かれました。特に、序盤の「トオボエ」→「アンチテーゼ」→「ステテクレバー」の流れは、「え、最初からこんなに飛ばすの?」という驚きと、この3曲を続けて歌っても息が切れない夏川さんってすごすぎ…という驚きが。
このライブの中で2曲目&アンコールの最後に披露された「ハレノバテイクオーバー」はなんだかんだ今年、夏川椎菜楽曲で一番たくさん再生した曲になりました。
ディズニーランド・パリおよびディズニーランド・パリ・プライド。
ディズニーランド・パリは大好きな海外パークになったのですが、ディズニーやディズニーランドに詳しくない人に良さを説明するのがなかなか難しいパークだなとも思いました。なんというか、「アナハイムのDisneylandに行くならFantasmic!見なきゃ!」みたいな感じのわかりやすい「目玉」があるわけではなくて、どちらかというと、既存のディズニーランドにあった要素をより洗練させ、細やかにアップデートしている感じ。ファントム・マナーはもちろん最高のアトラクションですが、やはりホーンテッド・マンションという元ネタがあったからこそのバリエーションとしての素晴らしさだし。ビッグサンダー・マウンテンも「ジェットコースター」好きにも楽しめるぐらいコースに工夫があって、同行者と私は「これは世界最高のビッグサンダー・マウンテンだ」ということで意見が一致したのですが、それも元を知らなければわからないし。派手ではない、地道な創意工夫によるアレンジに良さがあるなと思いました。
あとは食べ物が素晴らしく美味しい。Walt Disney Studios Parkのレミーのレストラン(Bistrot Chez Rémy)は本気のフランス料理が食べられますし、Disneyland ParisのPlaza Gardens Restaurantみたいな何気ないキャラクターダイニングのお店でも、出しているハムやチーズが半端なく美味しい。何食べても美味しい。これは本当に魅力的だと思います。
そして、何よりも、ディズニーランド・パリ30周年を記念した"Dream…and Shine Brighter!"というショーが楽しすぎて、一日3回見ました。このショーのテーマ曲である"Ready for the Ride"という楽曲が素晴らしくノリが良く、現地のオタクもみんなダンサーの真似して踊っていて、最終的にはパレードの一番後ろに着いてパレードルートの最後までオタクたち(含む私)で踊り続けていました。あ〜楽しかったな!!!
"Ready for the Ride"は各種サブスクで聴けますので、ぜひ聴いてみてください。
本当はディズニーランド・パリ・プライドについても振り返りたかったのですが、ディズニーランド・パリだけであまりにも長くなってしまったので、今回は割愛します(パリ来訪のメインの目的だったのに割愛するんかい!)。
長くなってきてしまったのでここからはサクッと!
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 4th Live! ~Love the Life We Live~、そして、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 <Colorful Dreams! Colorful Smiles!公演>&<Next TOKIMEKI公演>。
虹ヶ咲のオタクなので突っ込んだ感想を述べるとキリがないので、一つだけ(以下、4thライブのあとに書いたツイートを転記し、加筆修正したものです)。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会って、キャスト一人一人が虹ヶ咲の一員でいられていることを本当に尊んでいる、そして楽しんでいる集団だなと思いました。女性ホモソーシャル(※ここでは同性同士の絆や紐帯というフラットな意味で使っています)集団の一つの理想型を見ている感じすらする。その集団としての魅力は、12人(アニメでは13人)になったことでさらに増していると、今年開催されたライブを通じて強く強く感じました。それはつまり、強い絆がありつつも柔軟性も高い集団だということなんだろうなと思っていて、そんな集団の中にいるキャストさんたちのことがある意味とても羨ましい(もちろん時に困難な場面もあるだろうとは思いつつも)。集団として、見ていて幸せを感じます。
相良茉優のFUN!FAN!FACTORY 第一回社員総会。
昼の部・夜の部両部参加し、夜の部では社員代表挨拶(祝辞)を担当しました。相良茉優さんが2nd写真集『いざよい』で着用していたアオザイを着て、ステージに上がり、演説台でスピーチをしました。不安でしたが、会場の皆さんに笑ってもらえて、相良さんに合いの手的なコメントももらえて、よかったです。
こんなふうに、諜報員(オタク)になんでもやらせてくれる(立看板と横断幕もオタクの中から選ばれし人が書いてました)さがらFFFの皆さんが大好きです。きっとオタクのことを信頼してくださっているからこそだと思うので、その信頼を裏切らないように行動していきたいなと常に思っています。
もちろん、オタク一人ひとりと、時にびっくりするような(近い)距離感で、真摯に向き合ってくださる相良茉優さんのことも大好きです。
2022年の月ごとの活動振り返り
2022年の各月ごとの活動(仕事も趣味もその他も全部一緒くたに)の振り返りは、Twitterのほうに投稿しましたので、そのツイートをここに貼っておきます。
2022年の月ごとの振り返り。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【1月】東京ディズニーシーに行ったら雪が降り積もって大変なことに。親友氏と悪友氏とメイク会。ゲーミングチェア購入。セクシュアルマイノリティと医療・福祉・教育を考える全国大会2022 「わたしたちの恋愛規範を考える〜恋愛のアタリマエはアタリマエ?」登壇。
【2月】劇場版スタァライトオーケストラコンサート。はるちゃんと東京ディズニーランド。新型コロナウイルスワクチン3回目接種。ユニバで初めてパークサイド・グリルでステーキ&コース料理食べる。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会4thライブ@京セラドーム2Days。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【3月】大学の担当授業の一環で金沢合宿、金沢21世紀美術館を来訪。共編著書の原稿締切が同日に重なって大変。李琴峰さんと遊ぶ。家族で伊豆今井浜温泉へ。雨宮天 BEST LIVE TOUR -SKY- パシフィコ横浜公演。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン21周年当日にインパーク、255さんらと乾杯。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【4月】Liella!2ndライブ名古屋公演Day1。初めて紫のインナーカラーを入れる。誕生日カンナディナー(保護者会)。wezzy「ディズニーと「多様性」」出演。令和4年度 417の日。メイドカフェ巡って誕生日祝ってもらう。水上文さんと『N/A』についてのスペース対談。東京レインボープライドでパレード歩く。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【5月】夏川椎菜MAKEOVER埼玉公演。茉優お嬢さま有観客イベント。歌舞伎町のお店巡って飲み明かす。名古屋レインボープライドでパレード歩く。家族で京都・大阪旅行、母&義父は初のユニバ。夏川椎菜MAKEOVER千葉公演。カンナ シェフズスペシャル(顧客限定ディナー)。RENT来日公演、らいさんと後泊。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【6月】Taさんと初めてお話しする。メイド・執事オンリー同人即売会『東京メイド博覧会』第1回。フランス・ドイツ旅行、ディズニーランド・パリ・プライドに参加、ドイツ語版アナ雪ミュージカル鑑賞。親友氏とアフタヌーンティー。Liella!ファンミ東京公演Day2。夏川椎菜MAKEOVER中野追加公演両日。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【7月】わたゆり×ワンダーパーラーカフェ。IASPM 2022で女性声優の「アイドル化」について発表。「佐々木チワワと谷頭和希のビブ横界隈最前線 vol.3」登壇。立命館大学 未来共創リベラルアーツ・ゼミにてゲスト講演。一人ユニバ。相良茉優写真集『いざよい』サイン会@書泉。水上文さんとTaさんとお茶。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【8月】家族旅行@清里。アキバブロードウェイ鑑賞。うち水っコ大集合!2022が台風で中止😭。伊藤彩沙バースデーパーティー1部。wezzy「『推し』について葛藤しながら考えてみた」登壇。『声優パラダイスR』vol.48発売記念イベント。家族で横須賀ワーケーション。「2022年の「テーマパーク論」」登壇。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【9月】はるちゃんとらいさんと東京ディズニーランド→ランホ泊。東京ディズニーシー21周年当日インパ。虹ヶ咲5th CDCS公演Day1。カルチュラル・タイフーン2022にて発表。虹ヶ咲5th Next TOKIMEKI公演Day2。Roselia「Sonnenschein」LV。ディズニー・オン・クラシック。初のクワロマンティックオフ会。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【10月】親友氏とはるちゃんとホカンス。舞台『オルレアンの少女』鑑賞。相良茉優写真集『いざよい』サイン会@ブックファースト。親友氏とえりちゃんとごみおじとロースタリー。「だれと過ごして、何のために生きるのか」登壇。 相羽あいなバースデーパーティー1部。麻倉ももPiacere!名古屋公演。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【11月】新型コロナウイルスワクチン4回目接種。さがらFFF社員総会で社員代表挨拶する。第95回日本社会学会シンポジウム登壇。らいさんとユニバ。いしがみさんの誕生日にカンナ。親友氏とダイアログ・イン・ザ・ダーク。文学フリマ東京35。舞台『やがて君になる』encore初日鑑賞。名古屋→香嵐渓。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
【12月】諏訪ななか3rdライブ。メイドカフェでノマド会。リコリタ忘年会。いしがみさんと東京ディズニーシー。はるちゃんとえりちゃんに会う。レロ研リブート会。スクールアイドルミュージカル。悪友氏とめぐる・イン・ザ・ダーク。クリスマスホームパーティ。ザ・ベストナン。さがらFFF忘年会。C101。
— レロ/中村香住🏳️🌈@アイドル葛藤本 発売中 (@rero70) 2022年12月31日
感謝と2023年に向けて
そんなわけで、皆様、今年も本当にありがとうございました。
今年は特に人に恵まれた年だったなあと感じています。
いくつかとても嬉しい新しい出会いがあったし、すでに友人や知人だった人たちとさらに仲を深めることもできて、「重要な他者」たちとも継続的な関わり合いをすることができて(特に4月の保護者会ことカンナディナーは最高でしたね…)、すごく嬉しかったです。
私はやっぱり、人と関わり、話すために生きてるんだなあと改めて思いました。私に関わってくださっているすべての皆様、いつも本当にありがとうございます。
仕事面は、とても充実していたものの、やはり時々無理をして身体が動かなくなったり、締切を過ぎてしまったり(本当にすみません…)することもあったので、2023年はさらに持続可能な仕事の方法を模索していきたいなと思います。まず第一に、仕事量をコントロールすることかなと思いますが…。
というか、2023年はついに博士論文を書き上げて提出しなければならない年なので、とにかくできる限り博士論文執筆に集中できればと思っています(とはいえ、どうしても受けたい仕事に関してはいくつかは受けられますので、お仕事ご依頼はご遠慮なく!スケジュール等はご相談させてください)。書くぞ〜!出すぞ〜!!!
2023年が皆様にとって素敵な年になりますように。もちろん私にとっても!
今年の総括 2021
年末ですね。レロこと中村香住です。
いろんな意味であんまり仕事納まってない(まあ仕事納めという概念がない仕事だからというのもあるが…)ですが、毎年恒例(と言いつつ2020年は書いてないことが調べたらわかったけど)、今年の総括記事をともかく書きたいと思います。
適応障害の診断を受けて休職していたこと
今年は、3月末から9月末、いや10月の途中ぐらいまでは、ずっと心身の調子を崩していました。診断名としては「適応障害」でしたが、自分の状態に関する自己認識としてはガチ鬱っぽい時もあれば躁鬱(双極性障害)っぽい時もあり、とにかくなかなか困難な年でした。
精神科の病気の原因は一つに特定できるものではないですが、過労傾向だったことは間違いなく良くない方向に作用したと思います。
しかし、10月の後半に元気になった時は、けっこう急にモードが切り替わって、「あ、これはいける、朝起きられるし朝から仕事できる」という感じになりました。不思議なものです。
結局治療過程の何が良かったのかはわかりません。9月から本格的に体調を崩したのでほぼ毎日寝込んでいたのが「休む」という意味では結果的によかったのか、あんまり効いている実感がなかった薬だけれど長期的に続けていたことでここにきて効果が出たのか。いろいろ謎ではありますが、とりあえず「何もせず横になっていること」はメンタルを治すうえでは本当に大事なんだなとは思いました。それをした期間が長くなってきたことが、結果的には元気に、というか普通の状態に戻ることへの助けになったように思います。
適応障害の診断を受ける直前、本当に「限界」だった時は、文章を書くことはおろか、文字を読むことすら、目が滑りまくってしまって全然内容が頭に入ってこなくてまったくできませんでした。これは研究者としては致命的で、本当に焦りました。でも、今、6ヶ月の休職期間が必要だったけど、それを終えた今、こんなに気軽に文章(まあこの文章はブログの文章だからお仕事で書く文章とはまたちょっと性質が違うとはいえ)が書けるようになっていることには、端的に驚きます。あんなに「もう絶対文章なんて書けない」という感じの心身のヘタリ具合だったのに…。「休む」(いや正直6ヶ月間ずっと休めていたわけではないんですが、それでも普段よりは休んでいたので)ことの重要性と威力を強く実感する結果になりました。
今、もし、仕事が普段より進まないな、うまく仕事ができないなと思って焦っている人がいたら、今すぐ「休む」ことをおすすめしたいです。できればある程度の期間を確保して。とりあえず形状だけでも「休職」して、毎日タスクの締め切りに追われ続ける毎日を一旦やめるだけでもずいぶん違いますし、できればさっきも言ったように「何もせずに横になる」時間を作れると、徐々に本当に良くなってくると思います。
私は2018年に一度大きなうつをやっています(参考記事:「うつになったこととそれを少し抜けたこと」)。この時も、自分の自覚としては、2017年の過労、というかもはや限界のような働き方(2017年の総括記事で自分で「倒れそうなところをどうにか倒れてしまわないようにしながらどうにか生きている」って書いてて、今読んだら笑えない)が大きな原因の一つだったと感じていました。それなのにまた、それに近い追い込み方をしてしまっていたのは、大きな反省点です。
よって、これからは「私は基本的にすごく働いている人間である」という自己認識を持たなくてはならないんだなと思いました。実際この自己認識は今もあまりちゃんと持ててはいなくて、つい「みんなの方がもっと働いているだろう」と思ってしまうのですが、外から客観的に見たら私はすごく働いている人だと認識されることが多いようなので、きっとそうなのだろうとちゃんと納得できるようになりたいです。
そして、その自己認識に伴い、ちゃんと休みを取ること。上手く休むことは自分の中で永遠の課題(常に苦手)なのですが、最近はとりあえず昼寝をすることを心がけ(?)ています。朝型人間で朝早くから仕事してしまいがちなので、その分、日中に少し昼寝しないと夜まで持たないというのもあります。あと、昼寝するととりあえず認知資源が復活して、仕事して疲れた頭が少しは働きを取り戻すというのもあります。他には、「仕事をしない日」をできれば一週間に一回とか作りたいんですけど、これはなかなか上手くいきませんね…。つい細々とした作業をしてしまうことが多いです。してしまったほうが楽だからという理由も大きいのですが。
2021年の重要なお仕事振り返り
そんな中、結局、お仕事もなんだかんだ結構していました。お仕事をすることでまた過集中してしまって調子を崩すことにも繋がりかねないので気をつけなければならなかったのですが、それでもいくつかの重要な仕事ができたこと自体はよかったと思っています。
特に大きかったお仕事は、一つは田中東子編著『ガールズ・メディア・スタディーズ』の第4章に「メイドカフェ店員のSNSブランディング――アイデンティティの維持管理という時間外労働」を書かせてもらったこと。メイド店員のSNS労働について、「情動労働」「やりがいある仕事」「自己表象」「可視性のエコノミー」などの概念を用いながら、インタビューデータを分析したものです。メイドカフェ研究の本格的な論考が共著で出るのは初めてだったので、たいへん嬉しく、ありがたかったです。いくつかのメイドカフェ(カフェ メイリッシュ、橙幻郷、名古屋のPaletteMaidcafeなど)にも置いていただいてますので、ご興味ある方はぜひお手にとっていただければと思います。
もう一つは、『現代思想』2021年9月号 特集=〈恋愛〉の現在に書いた、「クワロマンティック宣言――「恋愛的魅力」は意味をなさない!」です。こちらは予想以上に幅広い方に読んでいただけたようで、大変嬉しく思っています。そもそも日本にはほとんどきちんと紹介されていなかったquoiromantic概念(「恋愛的魅力」や「恋愛の指向(romantic orientation)」といった概念自体が自分にとっては意味をなさない・適さないと感じるアイデンティティ)を紹介できたこと自体も良かったです。そのご縁で、苔さん主催の「ウチらのサイゼ会」Twitterスペースにお招きいただき、お話しできたこともよい経験になりました。
2021年の重要なコンテンツ振り返り
コンテンツ的な意味での2021年の振り返りは、「コンテンツ地獄」という企画(出演者各々が2021年に摂取したコンテンツベスト3を持ち寄って話す企画)で行いましたので、そちらを参考にしていただければと思います。
【みんな元気?】年末配信! 20時間コンテンツ地獄【day2】
(中村香住(レロ)出演シーン:4:33:33頃〜)
コンテンツ地獄で私が紹介したコンテンツに関しては(私以外の分もですが)、トークンさんが番外編まで含めてツイートスレッドにまとめてくださっているので、そちらを貼っておきますね。(トークンさん、本当にありがとうございます…!)
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(第3位)
相良茉優のFUN!FAN!FACTORY https://t.co/SvujmyU1Qd
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(第2位)
ミュージカル『アナと雪の女王』 | 劇団四季 https://t.co/PEQDbiaUpH
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(第1位)
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 / L!L!L! (Love the Life We Live) https://t.co/7WtEtIrseE
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(番外編)
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト https://t.co/VZYy8Oe3U9 https://t.co/siAFBRSMcB
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(番外編)
TrySailのライブを最前列ドセンで見たことhttps://t.co/6ImtK6IUp7
#コンテンツ地獄
— トークン (@aknosp6) 2021年12月30日
中村香住(レロ)さん紹介(番外編)
東京ディズニーランドホテル「カンナ」 クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ 食レポhttps://t.co/UAINJnEGea
2021年の月ごとの活動振り返り
2021年の各月ごとの活動(仕事も趣味もその他も全部一緒くたに)の振り返りは、Twitterのほうに投稿しましたので、そのツイートもここに貼っておきます。
2021年の月ごとの振り返り。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【1月】新発売の夏川椎菜5thシングル「クラクトリトルプライド」が良すぎてテンション上がる。
【2月】Clubhouseに入り浸る。M1 MacBook Air購入。ピューロランド×ノーミーツ劇団 VIVA LA VALENTINEをゲネプロ含めて3回ほど鑑賞。初のエンパイア・グリル美味しかった。
【3月】milkplanet秋葉原店を初来訪、みことさんに会う。TrySailライブ"Double the Cape"両日参戦。トークイベント「コロナ禍とメイドカフェの現在地」開催。虹ヶ咲校内シャッフルフェスティバル現地参加して虹ヶ咲に完全にハマる。過労で倒れる。適応障害の診断を受ける。USJ20周年当日を現地で祝う。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【4月】休職開始したがあまり休めない。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
初のスーパー・ニンテンドー・エリア、初のマリオカート。「harmoe canvas session Ⅰ」参加。高柳明音卒業コンサート、配信で鑑賞。カンナで「保護者会」こと誕生日ディナー。417の日イベントに奇跡的に参加。相羽あいな 1st Live「SiGN」振替公演現地参加。
【5月】Liella! デビューシングルリリースオンラインイベント参加。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会3rdライブ両日参戦。さがらFFFを初めて観てハマる。第1回部屋の片付け会開催。劇場版スタァライトコラボカフェで、Mr.ホワイトもちもちクッションをゲット。峯岸みなみ卒業コンサート現地参加。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【6月】ランドでサダハルアオキメニュー。 劇場版スタァライトを初日に鑑賞。第2回部屋の片付け会。メイドカフェの重鎮たちとご飯。母親の夫が心筋梗塞に。共著書『ガールズ・メディア・スタディーズ』発売。カルチュラル・タイフーン「ポストフェミニズムの時代にアンジェラ・マクロビーを読む」登壇
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【7月】夏川椎菜ライブ"Pre-2nd" 名古屋・羽田・大阪・お台場(千秋楽)公演に参戦。初のレゴランド。第3回部屋の片付け会。コロナワクチン接種1回目。3月ぶりのUSJ。「開店打ち水、はじめました。」ご祈祷会@神田明神にてメイドアテンド。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#3 Growth」鑑賞
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【8月】『ガールズ・メディア・スタディーズ』トークイベント登壇。相良茉優1st写真集『夏初月』サイン会で初めて相良さんに会う。コロナワクチン2回目。TrySailのTRYangle harmony番組イベント現地参加。「クワロマンティック宣言」を寄稿した『現代思想』〈恋愛〉の現在が発売。アニサマ2日目参加。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【9月】東京ディズニーシー20周年当日をミラコスタ&シー現地で祝う。諏訪ななか 7colors world Tourist Meeting 2021両部参加。ウチらのサイゼ会(@KOKE_1515さん主催)出演。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
その後、9月中旬以降は体調がさらに悪化してほぼ毎日ずっと寝込んでいた。今振り返って見てみても、カレンダーが白紙状態。
【10月】休職期間が終わり、在宅仕事を徐々に再開するも、10月後半までは寝込む日も多かった。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
TrySailライブツアー"Re Bon Voyage"横浜(実家)公演参戦。御殿場に家族旅行。慶應義塾大学大学院社会学研究科非常勤講師 勤務開始。A・ZU・NAファンミ両日現地参戦。カンナの秋の顧客限定メニューを堪能。
【11月】TrySailライブツアー"Re Bon Voyage"東京公演両日参戦。1日目は悪友氏と最前列ドセンを引き当てる。cheekpatch 2022 S/S collection プチファッションショー参加。AZALEA2ndライブ現地参加。ミラコスタでkaoちゃんの結婚式に参列。専修大学と慶應義塾大学でゲスト講義。アミュボFes現地参加。
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
【12月】宮城の鳴子温泉で湯治。「松下哲也のアート講釈日本地」レヴュースタァライト特集に登壇。劇団四季「アナと雪の女王」鑑賞。7月ぶりの名古屋。Liella! 1stライブ愛知公演現地参加。フェリシー初来訪。第4回部屋の片付け会。Encanto鑑賞。Aqoursワンマンライブ配信にて鑑賞。コンテンツ地獄出演
— レロ/中村香住🍅@『現代思想』〈恋愛〉の現在特集 発売中 (@rero70) 2021年12月31日
感謝と2022年に向けて
そんなわけで、2021年もみなさん本当にお世話になりました。
2022年こそは、持続可能なお仕事や活動の仕方を心がけつつ、無理しすぎない範囲でいろいろと成果を出していけたらなと思っています。
私に関わってくださっているすべての人に感謝していますが、特に、クワロマンティック的な意味における「重要な他者」の皆さん(別称:保護者の皆さん)には本当に本当に感謝しています。また保護者会(私のいろんな保護者が集まる会…)やろうね。みなさんがいることで、私は仕事も活動もオタ活もその他諸々もできています。本当にありがとう。
2022年が、このブログを読んでくださっているみなさんにとっても、良い年、健やかな年、穏やかな年になりますように!
東京ディズニーランドホテル「カンナ」 クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ 食レポ
※本記事は、ディズニー関連ブログ Advent Calendar 2021の12月20日(月)に参加しているブログ記事です。
こちらは、2021年12月9日(木)に食べた、東京ディズニーランドホテルのレストラン「カンナ」のクリスマスディナーメニュー、「クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ」の食レポ記事になります。
とはいえ、私が月一ペースの「常連」レベルで通っている大好きなレストランであるにもかかわらず、このブログでは今までカンナについて取り上げたことはなかったので、念のため、カンナがどんな場所かについてごく簡単に紹介してから、食レポをしたいと思います。
カンナは、公式サイトによれば、「「ヘルシー&ビューティー」をテーマにしたスタイリッシュな創作料理がコーススタイルでお楽しみいただけます。素材本来の味を引き出した料理をご堪能ください」といったレストラン。私の解釈を入れて少し言い換えると、使っている食材は野菜やハーブ&スパイス、特にアジアやエスニック料理で使うようなヘルシーなものが多いのですが(もっともフランス料理に特徴的な食材が使われることも結構あります!)、調理方法や提供方法はフランス料理のコース仕立てになっている、という感じです。
カンナには実は「エッセンス・オブ・スタイリッシュキュイジーヌ」というサブタイトル(?)がついているのですが、この「キュイジーヌ」はフランス語で「料理」という意味です。あくまでもフランス料理の方法論をベースに、ヘルシーで「スタイリッシュ」なコース料理を提供するというカンナの気概が見えます。
創作料理というと、あまり良いイメージを持たない人も多いかもしれません。私もかつてはそんな一人でした。それは、世間一般でよく見る「創作料理屋」の多くが、値段が高いわりにあまり美味しいわけでもない、強い言い方をすればぼったくりに近いようなお店だからだと思います。しかし、カンナの料理を経験して、「本当に美味しい「創作料理」ってあるんだ」と考えを新たにしました。
このあと紹介するメニューを読んでいただければわかると思うのですが、カンナはいつも、食材や調味料の組み合わせが衝撃的です。自分では天地がひっくり返っても思いつかないであろう組み合わせを提案してきます。しかし、その食材のマリアージュが、驚くほどいつも必ず美味しいのです。カンナなら絶対に「外さない」という安心感があります。
また、野菜やハーブ&スパイスなど「草類」の食材があまり得意でない方も、基本的には安心して食べられるかと思います。なぜなら、野菜が得意でない友達やハーブが得意でない友達を連れてカンナに行ったことが今までに何度もありますが、そのたびに「野菜は/ハーブはふだんは食べられないのに、カンナだと食べられる!」と言われるからです。おそらく、食材自体が良いものを使っているのと、味付けや調理の仕方がその素材の旨みだけを引き出す形になっているので、逆にその食材が苦手な人でも食べられるのかなと思っています。
カンナは、入口が高級感あふれる赤で一面彩られていることや、そもそもの価格帯が高い(現在はランチが6500円〜、ディナーが10000円〜程度)こともあり、「敷居が高い」と言われがちなイメージがあります。ごくたまにテレビ番組などでカンナが紹介された際にも、ツイートを検索していると「お値段が高くてなかなか…」「敷居が高くて入れない」という意見をみかけることがあります。
確かにお値段はディズニーホテルのレストランの中でもなかなか張るほうではありますが、この値段に見合った「感動」が必ず訪れることを私が(勝手に)約束します。一度行ってさえもらえれば、この言葉の意味が絶対にわかるはずです。食事面での感動は上記に書いたように当然ありますし、キャストのホスピタリティあふれる接客、丁寧な料理説明も、他のレストランとは一線を画するところです。そして、高級感あふれる外装・内装とはいっても、ディズニーホテルのレストランですから、ファミリー層も多く訪れますし、カンナの大ファンとしてはぜひ気軽に行ってみていただきたいなと思うところです。

そんなわけで、前置きが長くなりましたが、早速、2021年度のカンナのクリスマスディナーメニューの一つ、「クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ」の私なりの食レポをしていきたいと思います。こちらのメニューは、2021年11月1日(月)〜2021年12月17日(金)に、13,000円で提供されていたものになります。
まずはメニューの全貌を紹介します。

それでは、一つ一つの料理の実食レポートを以下に書いていきますね。
■ホロホロ鳥リエットとビーツメレンゲ ピタヤとマスタードのジャム


まずはアミューズです。
一番下には、ライ麦で作られた生地があります。生地のうえに乗っている赤いソースは、ピタヤ――一般的によく知られている名称で言うとドラゴンフルーツ――でできています。
その上に乗っている、3つの茶色いムースがホロホロ鳥のリエットです。そこに刺さっているピンクの棒が、ビーツで作ったビーツメレンゲになります。
ピタヤでできたソースの酸味と、ホロホロ鳥のリエットの旨みやほろ苦さが驚くほどよく合って、感銘を受けました。
■ズワイガニと根セロリムースのカネロニ仕立て ムール貝とキャビアをシャンパン風味で


冷前菜。
「カネロニ仕立て」とは、イタリア語で「大きな葦」を意味する円筒形のパスタのように、棒状に仕立てるという意味。ここでは、ズワイガニと根セロリのムースを合わせたものが棒状に仕立て上げられています。その周りを包んでいある赤いゼリーシートは、リンゴでできたもの。
左下に見える、白い泡状のフォームは、ムール貝でとった出汁やシャンパンの泡を合わせたものです。
そして、右下に見える緑のピュレ、こちらはなんと、蓼(たで)を使用したピュレとのこと!実際、ピュレだけで食べてみると、ちゃんと辛味がして、その鮮烈さに驚きました。蓼というと、鮎料理に合わせるイメージが強かったのですが、カニにもちゃんと合うんだなあ。
そして、この蓼のピュレと、リンゴのゼリーシートが意外にも合う…!辛いものと甘いものでちゃんと合うのか半信半疑だったのですが、言葉ではなかなか言い表せないような調和感がありました。もちろん根セロリのムースと一緒だったおかげもあるとは思いますが。
カンナではいつもアミューズや前菜に特に感動することが多いのですが、今回私と友人が一番感動した一品は、この冷前菜でした。言うまでもないことですが、リンゴのゼリーシートの赤と、蓼ピュレの緑で、クリスマスカラーを演出しているのも憎かったです。
■パン
メニュー表には記載されていませんが、このスタイリッシュカンナのコースには、毎回パンがついてきます。
一番上のお皿の中に入っているのは、フムスといって、ひよこ豆のペーストとオリーブオイルを合わせたものです。カンナではこれにパンをつけて食べるのが鉄板の食べ方となっています。
パンは二種類。下の「CANNA」と刻印されているパンはフォカッチャ。上のパンは、今季から新しくカンナに仲間入りした、穀物のブレッドです。噛むと、穀物の甘味がして、噛めば噛むほど美味しいパンでした。
■ラングスティーヌとポルチーニ茸のブリック包み 金時豆のブレゼ 甲殻類フォーム


温前菜。
オレンジ色の甲殻類のフォームの中に、金時豆のプレゼが入っています。
お皿の右上に乗っているのは、ブリックという揚げ春巻きのようなもの。中には、ラングスティーヌという手長海老とポルチーニ茸が入っています。
お皿の縁には、ピメントエスプレットというバスク産の唐辛子と、ミモレットチーズが置かれています。このピメントエスプレットが、香り豊かで、辛すぎず柔らかな辛味を持っており、甲殻類のフォームにたいへんよく合いました。唐辛子ひとつをとっても、料理に完璧に調和するように種類を細かく選ぶ、プロの仕事でした。
■マトウ鯛のポワレ カスベと下仁田ネギの餡 抹茶香る雪塩を添えて


続いては、魚料理。
マトウ鯛のポワレの上には、北海道の方言で「カスベ」と呼ばれるエイヒレの一夜干しや、群馬県甘楽郡下仁田町の名産物である下仁田ネギを使用した、昆布餡がかかっています。
左下には湯葉のロール。その横には、抹茶を使用した雪塩が置かれています。
また、奥に見える緑色のピュレは、ネギと味噌を抹茶風味に仕立てたピュレ。
全体的に、上から柚子のゼスト(外皮のすりおろし)がかかっています。
こちらのお料理は、昆布餡の美味しさと、その餡と抹茶との相性の良さに驚かされました。全体的に、抹茶の美味しさを堪能できる魚料理(こう書くと、字面だけ読むと不思議な感じがしますね)でした。
■牛テンダーロインのグリル 根菜ピュレ トリュフを挟んだブリード・モーとマデラソース


ついに、メインの肉料理。
牛テンダーロインのグリル、この日は青森県の和牛が使用されていました。
上に乗っている、パリのブリ地方を代表する白カビタイプのチーズ「ブリード・モー」は、中にトリュフが入っています。
それから、カンナではわりとお馴染みの、フランス料理でよく使われる、マデラ酒を使ったマデラソースがメインソースとして使われています。
さらに、左奥に見えるオレンジ色のものは、ニンジンやパースニップ(ニンジンに似た根菜)を使った根菜のピュレ。
付け合わせの野菜には、カブのソテー、ダイコクホンシメジ、紫ジャガイモ(「紫芋」ではなく、「紫ジャガイモ」だそう。シャドークイーンと呼ばれることもあるようです)など。
カンナの肉料理は、あまり肉の重たい感じが得意ではなくてコース料理で肉を残しがちな私でも、いつも美味しく食べきれるのが特徴です。それは肉自体の質の良さと、味付けの機微に起因するものでしょう。今回は、ブリード・モーチーズに入っていたトリュフの風味とマデラソースがたいへんよく合って、唸りました。根菜のピュレも、これを使って根菜のスープを作ったらとても美味しいのでは?というぐらい濃厚で、かつ野菜由来の軽やかさで肉の重さを和らげてもくれて、素晴らしかったです。
■ピスタチオモンブラン エスニックスパイス香るオレンジシャーベット


最後は、なかなかクリスマスらしいデザートが出てきました。
ピスタチオを使用したクリームで作られたモンブランは、クリスマスツリーをイメージしたもの。中にはシャンティというフランスで使われる生クリーム・ホイップクリームのようなものが入っています。ピスタチオモンブランの土台の周りはチョコレートでできており、中はムースとクッキー生地で構成されています。
左手前には粉状のホワイトチョコレートを配置して、雪をイメージ。
右手前には、オレンジのソルベにエスニックスパイスを加えたもの。
四角い透明なゼリーは、ラムを使ったゼリー。周りにはイチゴ、スグリが飾られ、皿の縁にはラズベリーのソースが置かれています。
いわずもがななクリスマスモチーフ・クリスマスカラーの一品ですが、個人的にはオレンジソルベに一番感動しました。エスニックスパイスとオレンジがまったく喧嘩せず、むしろオレンジの爽やかな甘みを引き立てていて、こんなに美味しいか、と思った次第です。ピスタチオクリームのモンブランやその中に入っているシャンティがなかなか濃厚だったので、箸休めにもなってくれて、バランスも良かったです。
■コーヒー または 紅茶

カンナのコーヒーまたは紅茶はかなり幅広いメニューから選択できるのですが(ブラックコーヒーやクラシックな紅茶のみならず、カフェラテやカプチーノ、中国緑茶にマンゴーの花やバラの花のフレーバーをつけたモルゲンタオ、ルイボスティーをベースにハーブを配合したウェルネスティーなんかも選べます)、私は今回はデザートに合わせてダージリンティーを選択しました。
また、こちらもメニューには記載がありませんが、コーヒーまたは紅茶に合わせて毎回異なるお茶菓子が提供され、今日はどんなお菓子が食べられるかな?と考えるのもスタイリッシュカンナコースの楽しみの一つです。今回は、チョコレートボンボンをいただきました。
番外編
■和酒カクテル ¥1,700


こちらは、ディナーコースには含まれていませんが、2021年11月1日(月)〜2021年1月31日(月)の期間、提供をしている、今季の和酒(わしゅ)カクテルです。(つまり、まだ今からでも飲めます!)
今年度(2021年度)、カンナでは、年間を通じて、日本のお酒や日本で作られたリキュールを使用した和酒カクテルを提供しています。Nさんというキャストさんが、季節ごとに工夫を凝らして、毎回新しいカクテルを考案しています。
今季は、和酒の柚子リキュール(写真右のもの。商品名としては「ドーバー 和酒 柚子」)、ジン、レモンジュース、柚子茶、柚子ピールをシェイカーに入れてシェイクした、徹底的に柚子の味を堪能できるショートカクテルが用意されています。Nさん曰く、柚子ピールを最後に入れてシェイクすることで柚子の風味がさらに全体に広がる点がこだわりだそうです。
本当に柚子を丸ごと味わえて素晴らしいのですが、柚子リキュールとジンが両方入っているショートカクテルであることからもわかる通り、結構アルコール度数が高いので、お酒に弱い方は気をつけて(水をたくさん飲みながら!)お飲みください。私もそうしました…(笑)。それでも飲む価値はある美味しさです!
たいへん長くなってしまいましたが、カンナの料理やドリンクへのこだわり、伝わりましたでしょうか。今回紹介したクリスマス前期メニューはもう提供終了してしまいましたが、どの季節のメニューもそれぞれに工夫が凝らしてありますので、ぜひ次の季節にはカンナを訪れてみてはいかがでしょうか。
カンナは、ディズニーホテルのレストランの中では比較的予約が取りやすいほうだというイメージがありますが、心配な方は念のため、早めに来店日時を決めて、予約開始日時である2ヶ月前の10:00から予約を試みると安心かもしれません。そうでなくとも、比較的直近の日程でも空いている場合もあります。また、ぽこっとキャンセルが出て枠が空くこともありますので、いずれにせよこまめに東京ディズニーリゾート・オンライン予約・購入サイトを覗いてみるのがおすすめです。
ぜひ、少しだけ勇気を出して、新たな食体験の扉を開けてみてください。これを読んでいるあなたと、カンナの至高の食事について語り合える日が来ることを楽しみにしています。
