生きることにおける理論と実践

日常生活が下手すぎる人間が、いろんなコンテンツを摂取しながら、生きることについて考えては実践し、実践しては考えるブログ。迷いながらも少しずつ進めたらいいね。

東京ディズニーランドホテル「カンナ」 クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ 食レポ

※本記事は、ディズニー関連ブログ Advent Calendar 2021の12月20日(月)に参加しているブログ記事です。

 

こちらは、2021年12月9日(木)に食べた、東京ディズニーランドホテルのレストラン「カンナ」のクリスマスディナーメニュー、「クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ」の食レポ記事になります。

とはいえ、私が月一ペースの「常連」レベルで通っている大好きなレストランであるにもかかわらず、このブログでは今までカンナについて取り上げたことはなかったので、念のため、カンナがどんな場所かについてごく簡単に紹介してから、食レポをしたいと思います。

 

カンナは、公式サイトによれば、「「ヘルシー&ビューティー」をテーマにしたスタイリッシュな創作料理がコーススタイルでお楽しみいただけます。素材本来の味を引き出した料理をご堪能ください」といったレストラン。私の解釈を入れて少し言い換えると、使っている食材は野菜やハーブ&スパイス、特にアジアやエスニック料理で使うようなヘルシーなものが多いのですが(もっともフランス料理に特徴的な食材が使われることも結構あります!)、調理方法や提供方法はフランス料理のコース仕立てになっている、という感じです。

カンナには実は「エッセンス・オブ・スタイリッシュキュイジーヌ」というサブタイトル(?)がついているのですが、この「キュイジーヌ」はフランス語で「料理」という意味です。あくまでもフランス料理の方法論をベースに、ヘルシーで「スタイリッシュ」なコース料理を提供するというカンナの気概が見えます。

www.tokyodisneyresort.jp

 

創作料理というと、あまり良いイメージを持たない人も多いかもしれません。私もかつてはそんな一人でした。それは、世間一般でよく見る「創作料理屋」の多くが、値段が高いわりにあまり美味しいわけでもない、強い言い方をすればぼったくりに近いようなお店だからだと思います。しかし、カンナの料理を経験して、「本当に美味しい「創作料理」ってあるんだ」と考えを新たにしました。

このあと紹介するメニューを読んでいただければわかると思うのですが、カンナはいつも、食材や調味料の組み合わせが衝撃的です。自分では天地がひっくり返っても思いつかないであろう組み合わせを提案してきます。しかし、その食材のマリアージュが、驚くほどいつも必ず美味しいのです。カンナなら絶対に「外さない」という安心感があります。

 

また、野菜やハーブ&スパイスなど「草類」の食材があまり得意でない方も、基本的には安心して食べられるかと思います。なぜなら、野菜が得意でない友達やハーブが得意でない友達を連れてカンナに行ったことが今までに何度もありますが、そのたびに「野菜は/ハーブはふだんは食べられないのに、カンナだと食べられる!」と言われるからです。おそらく、食材自体が良いものを使っているのと、味付けや調理の仕方がその素材の旨みだけを引き出す形になっているので、逆にその食材が苦手な人でも食べられるのかなと思っています。

 

カンナは、入口が高級感あふれる赤で一面彩られていることや、そもそもの価格帯が高い(現在はランチが6500円〜、ディナーが10000円〜程度)こともあり、「敷居が高い」と言われがちなイメージがあります。ごくたまにテレビ番組などでカンナが紹介された際にも、ツイートを検索していると「お値段が高くてなかなか…」「敷居が高くて入れない」という意見をみかけることがあります。

確かにお値段はディズニーホテルのレストランの中でもなかなか張るほうではありますが、この値段に見合った「感動」が必ず訪れることを私が(勝手に)約束します。一度行ってさえもらえれば、この言葉の意味が絶対にわかるはずです。食事面での感動は上記に書いたように当然ありますし、キャストのホスピタリティあふれる接客、丁寧な料理説明も、他のレストランとは一線を画するところです。そして、高級感あふれる外装・内装とはいっても、ディズニーホテルのレストランですから、ファミリー層も多く訪れますし、カンナの大ファンとしてはぜひ気軽に行ってみていただきたいなと思うところです。

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そんなわけで、前置きが長くなりましたが、早速、2021年度のカンナのクリスマスディナーメニューの一つ、「クリスマス・プレリュード スタイリッシュカンナ」の私なりの食レポをしていきたいと思います。こちらのメニューは、2021年11月1日(月)〜2021年12月17日(金)に、13,000円で提供されていたものになります。

まずはメニューの全貌を紹介します。

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それでは、一つ一つの料理の実食レポートを以下に書いていきますね。

 

ホロホロ鳥リエットとビーツメレンゲ ピタヤとマスタードのジャム

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まずはアミューズです。

一番下には、ライ麦で作られた生地があります。生地のうえに乗っている赤いソースは、ピタヤ――一般的によく知られている名称で言うとドラゴンフルーツ――でできています。

その上に乗っている、3つの茶色いムースがホロホロ鳥のリエットです。そこに刺さっているピンクの棒が、ビーツで作ったビーツメレンゲになります。

ピタヤでできたソースの酸味と、ホロホロ鳥のリエットの旨みやほろ苦さが驚くほどよく合って、感銘を受けました。

 

ズワイガニ根セロリムースのカネロニ仕立て ムール貝キャビアシャンパン風味で

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冷前菜。

カネロニ仕立て」とは、イタリア語で「大きな葦」を意味する円筒形のパスタのように、棒状に仕立てるという意味。ここでは、ズワイガニ根セロリのムースを合わせたものが棒状に仕立て上げられています。その周りを包んでいある赤いゼリーシートは、リンゴでできたもの。

左下に見える、白い泡状のフォームは、ムール貝でとった出汁やシャンパンの泡を合わせたものです。
そして、右下に見える緑のピュレ、こちらはなんと、蓼(たで)を使用したピュレとのこと!実際、ピュレだけで食べてみると、ちゃんと辛味がして、その鮮烈さに驚きました。蓼というと、鮎料理に合わせるイメージが強かったのですが、カニにもちゃんと合うんだなあ。

そして、この蓼のピュレと、リンゴのゼリーシートが意外にも合う…!辛いものと甘いものでちゃんと合うのか半信半疑だったのですが、言葉ではなかなか言い表せないような調和感がありました。もちろん根セロリのムースと一緒だったおかげもあるとは思いますが。

カンナではいつもアミューズや前菜に特に感動することが多いのですが、今回私と友人が一番感動した一品は、この冷前菜でした。言うまでもないことですが、リンゴのゼリーシートの赤と、蓼ピュレの緑で、クリスマスカラーを演出しているのも憎かったです。

 

■パン

f:id:rero70:20211220094306j:plainメニュー表には記載されていませんが、このスタイリッシュカンナのコースには、毎回パンがついてきます。

一番上のお皿の中に入っているのは、フムスといって、ひよこ豆のペーストとオリーブオイルを合わせたものです。カンナではこれにパンをつけて食べるのが鉄板の食べ方となっています。

パンは二種類。下の「CANNA」と刻印されているパンはフォカッチャ。上のパンは、今季から新しくカンナに仲間入りした、穀物のブレッドです。噛むと、穀物の甘味がして、噛めば噛むほど美味しいパンでした。

 

■ラングスティーヌとポルチーニ茸のブリック包み 金時豆のブレゼ 甲殻類フォーム

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温前菜。

オレンジ色の甲殻類のフォームの中に、金時豆のプレゼが入っています。

お皿の右上に乗っているのは、ブリックという揚げ春巻きのようなもの。中には、ラングスティーヌという手長海老とポルチーニ茸が入っています。

お皿の縁には、ピメントエスプレットというバスク産の唐辛子と、ミモレットチーズが置かれています。このピメントエスプレットが、香り豊かで、辛すぎず柔らかな辛味を持っており、甲殻類のフォームにたいへんよく合いました。唐辛子ひとつをとっても、料理に完璧に調和するように種類を細かく選ぶ、プロの仕事でした。

 

■マトウ鯛のポワレ カスベと下仁田ネギの餡 抹茶香る雪塩を添えて

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続いては、魚料理。

マトウ鯛のポワレの上には、北海道の方言で「カスベ」と呼ばれるエイヒレの一夜干しや、群馬県甘楽郡下仁田町の名産物である下仁田ネギを使用した、昆布餡がかかっています。

左下には湯葉のロール。その横には、抹茶を使用した雪塩が置かれています。

また、奥に見える緑色のピュレは、ネギと味噌を抹茶風味に仕立てたピュレ。

全体的に、上から柚子のゼスト(外皮のすりおろし)がかかっています。

こちらのお料理は、昆布餡の美味しさと、その餡と抹茶との相性の良さに驚かされました。全体的に、抹茶の美味しさを堪能できる魚料理(こう書くと、字面だけ読むと不思議な感じがしますね)でした。

 

■牛テンダーロインのグリル 根菜ピュレ トリュフを挟んだブリード・モーとマデラソース

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ついに、メインの肉料理。

牛テンダーロインのグリル、この日は青森県の和牛が使用されていました。

上に乗っている、パリのブリ地方を代表する白カビタイプのチーズ「ブリード・モー」は、中にトリュフが入っています。

それから、カンナではわりとお馴染みの、フランス料理でよく使われる、マデラ酒を使ったマデラソースがメインソースとして使われています。

さらに、左奥に見えるオレンジ色のものは、ニンジンやパースニップ(ニンジンに似た根菜)を使った根菜のピュレ。

付け合わせの野菜には、カブのソテー、ダイコクホンシメジ、紫ジャガイモ(「紫芋」ではなく、「紫ジャガイモ」だそう。シャドークイーンと呼ばれることもあるようです)など。

カンナの肉料理は、あまり肉の重たい感じが得意ではなくてコース料理で肉を残しがちな私でも、いつも美味しく食べきれるのが特徴です。それは肉自体の質の良さと、味付けの機微に起因するものでしょう。今回は、ブリード・モーチーズに入っていたトリュフの風味とマデラソースがたいへんよく合って、唸りました。根菜のピュレも、これを使って根菜のスープを作ったらとても美味しいのでは?というぐらい濃厚で、かつ野菜由来の軽やかさで肉の重さを和らげてもくれて、素晴らしかったです。

 

■ピスタチオモンブラン エスニックスパイス香るオレンジシャーベット

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最後は、なかなかクリスマスらしいデザートが出てきました。

ピスタチオを使用したクリームで作られたモンブランは、クリスマスツリーをイメージしたもの。中にはシャンティというフランスで使われる生クリーム・ホイップクリームのようなものが入っています。ピスタチオモンブランの土台の周りはチョコレートでできており、中はムースとクッキー生地で構成されています。

左手前には粉状のホワイトチョコレートを配置して、雪をイメージ。

右手前には、オレンジのソルベにエスニックスパイスを加えたもの。

四角い透明なゼリーは、ラムを使ったゼリー。周りにはイチゴ、スグリが飾られ、皿の縁にはラズベリーのソースが置かれています。

いわずもがななクリスマスモチーフ・クリスマスカラーの一品ですが、個人的にはオレンジソルベに一番感動しました。エスニックスパイスとオレンジがまったく喧嘩せず、むしろオレンジの爽やかな甘みを引き立てていて、こんなに美味しいか、と思った次第です。ピスタチオクリームのモンブランやその中に入っているシャンティがなかなか濃厚だったので、箸休めにもなってくれて、バランスも良かったです。

 

■コーヒー または 紅茶

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カンナのコーヒーまたは紅茶はかなり幅広いメニューから選択できるのですが(ブラックコーヒーやクラシックな紅茶のみならず、カフェラテやカプチーノ、中国緑茶にマンゴーの花やバラの花のフレーバーをつけたモルゲンタオ、ルイボスティーをベースにハーブを配合したウェルネスティーなんかも選べます)、私は今回はデザートに合わせてダージリンティーを選択しました。

また、こちらもメニューには記載がありませんが、コーヒーまたは紅茶に合わせて毎回異なるお茶菓子が提供され、今日はどんなお菓子が食べられるかな?と考えるのもスタイリッシュカンナコースの楽しみの一つです。今回は、チョコレートボンボンをいただきました。

 

番外編

■和酒カクテル ¥1,700

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こちらは、ディナーコースには含まれていませんが、2021年11月1日(月)〜2021年1月31日(月)の期間、提供をしている、今季の和酒(わしゅ)カクテルです。(つまり、まだ今からでも飲めます!)

今年度(2021年度)、カンナでは、年間を通じて、日本のお酒や日本で作られたリキュールを使用した和酒カクテルを提供しています。Nさんというキャストさんが、季節ごとに工夫を凝らして、毎回新しいカクテルを考案しています。

今季は、和酒の柚子リキュール(写真右のもの。商品名としては「ドーバー 和酒 柚子」)、ジン、レモンジュース、柚子茶、柚子ピールをシェイカーに入れてシェイクした、徹底的に柚子の味を堪能できるショートカクテルが用意されています。Nさん曰く、柚子ピールを最後に入れてシェイクすることで柚子の風味がさらに全体に広がる点がこだわりだそうです。

本当に柚子を丸ごと味わえて素晴らしいのですが、柚子リキュールとジンが両方入っているショートカクテルであることからもわかる通り、結構アルコール度数が高いので、お酒に弱い方は気をつけて(水をたくさん飲みながら!)お飲みください。私もそうしました…(笑)。それでも飲む価値はある美味しさです!

 

たいへん長くなってしまいましたが、カンナの料理やドリンクへのこだわり、伝わりましたでしょうか。今回紹介したクリスマス前期メニューはもう提供終了してしまいましたが、どの季節のメニューもそれぞれに工夫が凝らしてありますので、ぜひ次の季節にはカンナを訪れてみてはいかがでしょうか。

カンナは、ディズニーホテルのレストランの中では比較的予約が取りやすいほうだというイメージがありますが、心配な方は念のため、早めに来店日時を決めて、予約開始日時である2ヶ月前の10:00から予約を試みると安心かもしれません。そうでなくとも、比較的直近の日程でも空いている場合もあります。また、ぽこっとキャンセルが出て枠が空くこともありますので、いずれにせよこまめに東京ディズニーリゾート・オンライン予約・購入サイトを覗いてみるのがおすすめです。

ぜひ、少しだけ勇気を出して、新たな食体験の扉を開けてみてください。これを読んでいるあなたと、カンナの至高の食事について語り合える日が来ることを楽しみにしています。