生きることにおける理論と実践

日常生活が下手すぎる人間が、いろんなコンテンツを摂取しながら、生きることについて考えては実践し、実践しては考えるブログ。迷いながらも少しずつ進めたらいいね。

今年の総括 2021

年末ですね。レロこと中村香住です。

いろんな意味であんまり仕事納まってない(まあ仕事納めという概念がない仕事だからというのもあるが…)ですが、毎年恒例(と言いつつ2020年は書いてないことが調べたらわかったけど)、今年の総括記事をともかく書きたいと思います。

 

 

適応障害の診断を受けて休職していたこと

今年は、3月末から9月末、いや10月の途中ぐらいまでは、ずっと心身の調子を崩していました。診断名としては「適応障害」でしたが、自分の状態に関する自己認識としてはガチ鬱っぽい時もあれば躁鬱(双極性障害)っぽい時もあり、とにかくなかなか困難な年でした。
精神科の病気の原因は一つに特定できるものではないですが、過労傾向だったことは間違いなく良くない方向に作用したと思います。

 

しかし、10月の後半に元気になった時は、けっこう急にモードが切り替わって、「あ、これはいける、朝起きられるし朝から仕事できる」という感じになりました。不思議なものです。

結局治療過程の何が良かったのかはわかりません。9月から本格的に体調を崩したのでほぼ毎日寝込んでいたのが「休む」という意味では結果的によかったのか、あんまり効いている実感がなかった薬だけれど長期的に続けていたことでここにきて効果が出たのか。いろいろ謎ではありますが、とりあえず「何もせず横になっていること」はメンタルを治すうえでは本当に大事なんだなとは思いました。それをした期間が長くなってきたことが、結果的には元気に、というか普通の状態に戻ることへの助けになったように思います。

適応障害の診断を受ける直前、本当に「限界」だった時は、文章を書くことはおろか、文字を読むことすら、目が滑りまくってしまって全然内容が頭に入ってこなくてまったくできませんでした。これは研究者としては致命的で、本当に焦りました。でも、今、6ヶ月の休職期間が必要だったけど、それを終えた今、こんなに気軽に文章(まあこの文章はブログの文章だからお仕事で書く文章とはまたちょっと性質が違うとはいえ)が書けるようになっていることには、端的に驚きます。あんなに「もう絶対文章なんて書けない」という感じの心身のヘタリ具合だったのに…。「休む」(いや正直6ヶ月間ずっと休めていたわけではないんですが、それでも普段よりは休んでいたので)ことの重要性と威力を強く実感する結果になりました。

今、もし、仕事が普段より進まないな、うまく仕事ができないなと思って焦っている人がいたら、今すぐ「休む」ことをおすすめしたいです。できればある程度の期間を確保して。とりあえず形状だけでも「休職」して、毎日タスクの締め切りに追われ続ける毎日を一旦やめるだけでもずいぶん違いますし、できればさっきも言ったように「何もせずに横になる」時間を作れると、徐々に本当に良くなってくると思います。

 

私は2018年に一度大きなうつをやっています(参考記事:「うつになったこととそれを少し抜けたこと」)。この時も、自分の自覚としては、2017年の過労、というかもはや限界のような働き方(2017年の総括記事で自分で「倒れそうなところをどうにか倒れてしまわないようにしながらどうにか生きている」って書いてて、今読んだら笑えない)が大きな原因の一つだったと感じていました。それなのにまた、それに近い追い込み方をしてしまっていたのは、大きな反省点です。

よって、これからは「私は基本的にすごく働いている人間である」という自己認識を持たなくてはならないんだなと思いました。実際この自己認識は今もあまりちゃんと持ててはいなくて、つい「みんなの方がもっと働いているだろう」と思ってしまうのですが、外から客観的に見たら私はすごく働いている人だと認識されることが多いようなので、きっとそうなのだろうとちゃんと納得できるようになりたいです。

そして、その自己認識に伴い、ちゃんと休みを取ること。上手く休むことは自分の中で永遠の課題(常に苦手)なのですが、最近はとりあえず昼寝をすることを心がけ(?)ています。朝型人間で朝早くから仕事してしまいがちなので、その分、日中に少し昼寝しないと夜まで持たないというのもあります。あと、昼寝するととりあえず認知資源が復活して、仕事して疲れた頭が少しは働きを取り戻すというのもあります。他には、「仕事をしない日」をできれば一週間に一回とか作りたいんですけど、これはなかなか上手くいきませんね…。つい細々とした作業をしてしまうことが多いです。してしまったほうが楽だからという理由も大きいのですが。

 

2021年の重要なお仕事振り返り

そんな中、結局、お仕事もなんだかんだ結構していました。お仕事をすることでまた過集中してしまって調子を崩すことにも繋がりかねないので気をつけなければならなかったのですが、それでもいくつかの重要な仕事ができたこと自体はよかったと思っています。

特に大きかったお仕事は、一つは田中東子編著『ガールズ・メディア・スタディーズ』の第4章に「メイドカフェ店員のSNSブランディング――アイデンティティの維持管理という時間外労働」を書かせてもらったこと。メイド店員のSNS労働について、「情動労働」「やりがいある仕事」「自己表象」「可視性のエコノミー」などの概念を用いながら、インタビューデータを分析したものです。メイドカフェ研究の本格的な論考が共著で出るのは初めてだったので、たいへん嬉しく、ありがたかったです。いくつかのメイドカフェ(カフェ メイリッシュ、橙幻郷、名古屋のPaletteMaidcafeなど)にも置いていただいてますので、ご興味ある方はぜひお手にとっていただければと思います。

もう一つは、『現代思想』2021年9月号 特集=〈恋愛〉の現在に書いた、「クワロマンティック宣言――「恋愛的魅力」は意味をなさない!」です。こちらは予想以上に幅広い方に読んでいただけたようで、大変嬉しく思っています。そもそも日本にはほとんどきちんと紹介されていなかったquoiromantic概念(「恋愛的魅力」や「恋愛の指向(romantic orientation)」といった概念自体が自分にとっては意味をなさない・適さないと感じるアイデンティティ)を紹介できたこと自体も良かったです。そのご縁で、苔さん主催の「ウチらのサイゼ会」Twitterスペースにお招きいただき、お話しできたこともよい経験になりました。

 

2021年の重要なコンテンツ振り返り

コンテンツ的な意味での2021年の振り返りは、「コンテンツ地獄」という企画(出演者各々が2021年に摂取したコンテンツベスト3を持ち寄って話す企画)で行いましたので、そちらを参考にしていただければと思います。

 

【みんな元気?】年末配信! 20時間コンテンツ地獄【day2】
(中村香住(レロ)出演シーン:4:33:33頃〜)

youtu.be

 

コンテンツ地獄で私が紹介したコンテンツに関しては(私以外の分もですが)、トークンさんが番外編まで含めてツイートスレッドにまとめてくださっているので、そちらを貼っておきますね。(トークンさん、本当にありがとうございます…!)

 

2021年の月ごとの活動振り返り

2021年の各月ごとの活動(仕事も趣味もその他も全部一緒くたに)の振り返りは、Twitterのほうに投稿しましたので、そのツイートもここに貼っておきます。

 

感謝と2022年に向けて

そんなわけで、2021年もみなさん本当にお世話になりました。

2022年こそは、持続可能なお仕事や活動の仕方を心がけつつ、無理しすぎない範囲でいろいろと成果を出していけたらなと思っています。

私に関わってくださっているすべての人に感謝していますが、特に、クワロマンティック的な意味における「重要な他者」の皆さん(別称:保護者の皆さん)には本当に本当に感謝しています。また保護者会(私のいろんな保護者が集まる会…)やろうね。みなさんがいることで、私は仕事も活動もオタ活もその他諸々もできています。本当にありがとう。

2022年が、このブログを読んでくださっているみなさんにとっても、良い年、健やかな年、穏やかな年になりますように!